学びの現場からトップインタビュー

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これからの社会と未来を見据えて グローバル・ICTの教育環境を整備

柳川高等学校(福岡)
2018.08.16
(左から)校長/古賀先生、副校長/森先生 ※ 掲載内容は2018年8月現在のものです。

生徒たちが秘める無限の可能性に気づかせる 環境を用意することが高校の使命

当校は1941年に商業高校として設立され、この柳川という地で77年を超える歩みを残してきました。2017年度には全国の国公立・私立大学にのべ264名が合格し、卒業生は中学校・大学の教員や弁護士などさまざまなフィールドで活躍しています。近年はテニスの名門校としてメディアに取り上げられる機会も増え、テニス部出身の生徒がプロテニスプレーヤーとして活躍し、その子どもが親と同じ柳川高校で学ぶなど、歴史と伝統ある柳川高校のDNAは、親から子の世代へと受け継がれています。

教員一同、建学の精神と教育方針を重んじ、日々の指導にあたっています。しかし、グローバル化や情報化の進展、少子高齢社会の到来など、社会のあり方が急速に変わり、先行きが見えない状況の中で生徒たちの「生きる力」を育むためには、歴史や伝統を重んじるだけでなく、柔軟に変化を取り入れることも学校経営には必要だと考えています。

例えば、全教員・全生徒を集めた朝礼。「校長からのメッセージはどうしたら生徒に伝わるのか」「どうやったら自分のこととしてとらえてもらえるのか」などと、多くの高校でも悩まれているはずです。私が行っているのは、建学の精神と教育方針をベースにしながらも、いまを生きる生徒たちに必要な言葉を掲げること。最近は「動く」をキーワードに、メッセージを届けています。もちろん、すべてのメッセージが生徒に届くわけではありません。しかし、3年間のうちにどれか一つでも生徒に響けば、生徒の心が変わり、行動、習慣、それが人格や運命を変えるきっかけになるはずです。

これまで、何度も生徒たちが秘める可能性の大きさに驚かされてきました。勉強はもちろん、部活に打ち込んだり、外国の文化に触れたり、資格取得に励んだり。楽しいこと、つらいこと、すべての経験を通して、生徒たちは成長し社会に飛び立っていきます。生徒たちが自分たちの可能性に気づき、可能性を追い求められる環境を用意することが、教員、校長の最大の使命なのだと考えます。

校長先生から、いまを生きる生徒たちへのメッセージ。 このメッセージは全教室に掲げられているため、授業はもちろん、普段の学校生活でも生徒たちはこのメッセージを意識して行動している。

グローバルな教育環境が 当たり前にあることを実現するために

2022年から新学習指導要領が実施され、教科目の編成も見直されています。また、2020年度からは「大学入学共通テスト」も行われるなど、高等学校の教育が、いま大きく変わろうとしています。もちろん、教育改革におけるキーワードを押さえることも重要ですが、より重要なのは、4年後を待って教育改革を行うのではなく、これからの社会を見据えて教育の現場を変えていかなくてはならないということです。

当校における教育改革の一端として取り組んだのが、国際科の開設です。ネイティブ教師による授業のもと、休学することなく希望に応じた海外留学ができる学科です。クラスの半数が留学生という環境下で、留学生と共に机を並べながら、日常的に異文化交流を深め、語学力を磨くことができます。

2016年には全国に先駆け、タイ南部ナコンシータマラートに「柳川高等学校附属タイ中学校」を開設しました。それに加え、アジア5ヶ国とイギリスに合計6ヶ所の事務所を開設し、留学生を受け入れる態勢を整えました。今後さらに世界各国に事務所を開設し、展開していく予定です。

2017年に当校で掲げた「柳川グローバル学園構想」も、これからの時代を見据えたグローバル教育環境を用意したいという思いがあったからです。これからの日本には、さまざまな国の人々と一緒に仕事をする時代がやってきます。早い時期に、文化や考え方の異なる同世代の留学生と共に過ごす教育環境を作ることで、力を合わせて問題の解決にあたる人材の育成を目指すために、全校生徒の約3分の1を世界各国から受け入れています。日本の生徒を送り出す「留学」も大切ですが、外国の生徒を受け入れる「留学」にも力を入れ、よりグローバルな教育環境を用意しています。

世界へ展開する「柳川グローバル学園構想」。アジアを中心に6ヵ国に事務所を設置し、留学生を受け入れている。

マイクロソフト社と連携した日本初のカリキュラムで 即戦力として活躍できる人材を育成

グローバルな教育環境の整備と共に、当校が力を入れているのはIT教育プログラムです。進学や就職、どんな進路を選んでもパソコンのスキルは必要不可欠。現代社会はどのような職場でも大学でもパソコンを使い、もはや、パソコンを操作する能力は特別な技術ではなく、標準的な力として求められます。社会に出て即戦力となる人材を育てるために、すべての学科でパソコンの授業を展開し、パソコンの操作習得をサポートしています。

2001年には、日本の高校として初めてマイクロソフト社と提携し、商業科マイクロソフトコースを開設。同時期に国の「次世代ITを活用した未来型教育研究開発事業」指定校にも選定されています。その結果、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)試験合格者数が、高校生の部で13年連続日本一を達成し、マイクロソフトが開催する世界学生大会でも、ワード部門、エクセル部門、パワーポイント部門で入賞者を輩出しています。企業の方にも、柳川高校の卒業生はコンピュータを使えるということが浸透し、企業からの求人も来ていると実感しています。

海外への拠点展開、IT教育プログラムの充実…。こうした取り組みはすべて、「今の生徒たちに必要なものは何か」という問いに対する答えです。教育の現場を変えることは簡単ではありません。ですが、「こうあるべきだ」と型にはまっていては、何も変えることはできません。失敗を恐れず、学校のトップである校長が先導する。そして、生徒たちが生きる未来を想像し、柔軟に高校が提供する教育のあり方を考え、変化を取り入れていくこと、それが伝統を大切にしながらも変化を取り入れる柳川高校らしさなのかもしれません。

柳川高等学校(福岡)

学科:普通科(特進コース/進学コース)、商業科(マイクロソフトコース/総合ビジネスコース)、国際科(英語コース)
生徒数:1学年260名 2学年250名 3学年312名

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