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伝統校が目指す新しい女子教育とは “グローバル女子”を育てる教育改革

神田女学園中学校高等学校(東京)
2018.09.14
※ 掲載内容は2018年9月現在のものです。

激動の時代を生き抜く女性を育てる 新しい女子教育のあり方

当学園が創立されたのは、今から1世紀以上前の1890年。127年間に渡り、女子教育のエキスパートとしての道を歩んできました。女子教育機関の教育内容として特筆されるのが、しつけや礼儀作法、身だしなみ、言葉遣いの指導。伝統ある女子中学・高校として、こうした生活指導を通じて、「人を思いやることができる、品格ある女性を育てる」ことを大切にしてきました。

近年は、コンピュータの技術革新がすさまじい勢いで進む中、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がAIによって消滅するという報道を目にすることも多く、女子校が提供する教育の在り方も変化せざるを得ない時代がやってきていると痛感しています。今後は、古き良き女子校ならではの「品格教育」を大切にしながらも、どんな時代でも、どんな人とも、どんな国・場所にいても、どんな仕事に就いても、主体的に学びながら自分の考えを発信し、行動できるグローバルマインドを持った女性を育てていきたいと考えております。

「主体的に学び、主体的に行動する」生徒を育てるために、これまでの「教えてもらう」という受動的な授業を徹底的に見直し、「学ぶ」という能動的な時間を作ることにも取り組んでいます。ノートパソコンを生徒に配布したことで、教員は板書を用いず、授業内容を生徒のノートパソコンに直接配信。小テストや課題プリントもノートパソコンを通じて配布され、生徒はインターネットを使って調べ、より深く、より広く学ぶことができます。「板書、ノート、消す、板書」といった作業が必要ないため、教員は指導に集中することができ、生徒も考えること・問題に取り組むことに集中できています。

一人ひとりの未来につながる 英・中・韓・仏の第二外国語教育

当学園の教育活動を語る上で、「言語教育」は欠かせません。近年、最も力を入れているのが「トリリンガル教育」です。仕事で海外の教育機関を視察する機会も多いのですが、ヨーロッパやアジアなどでは、母国語・英語に加え、もう一言語を話せる人が多く見受けられます。当学園の生徒にも英語だけでなく、第二外国語を学ばせたいという思いがありました。生徒は中学3年次から高校3年次までの計4年間にわたって、英語の他に中国語・韓国語・フランス語の中から第二外国語を選択します。大学4年間に匹敵するほどの時間を、中学生、高校生から第二外国語の習得に当てることができるのです。

看護や保育分野へ進んだ卒業生から「中国語を話せたことで外国人の患者さんに安心してもらえた」と言われることも多く、こうした取り組みは少しずつ成果につながっていると実感しています。また、神田外語大学と高大連携協定を締結し、学内に「自立学習を実践する場SALC(Self-Access Learning Center)」を用意しました。SALCとは英語に特化した自立学習を実践するスペースのことで、ネイティブの教員が常駐し、生徒たちが気軽に楽しく自発的に語学を学ぶことができます。SALCでは、原則日本語の使用は禁止。オールイングリッシュの環境下で、1対1の英会話レッスンを通して英語を学ぶことが可能です。

グローバル化が進む日本において、外国人と共に働く機会、外国人と接する機会は今後ますます増え、外国人とどのようにコミュニケーションを取り成果を生み出していけるかが問われる時代です。外国語を学ぶことは、異文化を知り、多様な言葉を理解できるようになること。つまり、それだけ世界で活躍できるチャンスが増えるということです。生徒の可能性をいかに増やし、一人ひとりの未来につながる女子教育を行うことが、当学園の責務であると私たちは考えています。

教員一人ひとりの力が 教育改革を支える原動力に

近年は「働き方改革」として多くの企業で働き方やワークスタイルの見直しが進められています。中には子育てしながらテレワーク(在宅勤務)をする女性も数多くいます。ITを利用した、場所・時間にとらわれない働き方は1つのポイントになってくるはずです。今後は学園内でも、ITリテラシーやプログラミングなど、数学的なものの捉え方を指導する「教養教育」にも力を入れていきたいと考えています。

当学園における教育改革の実践例を紹介してきましたが、これからの学校経営において欠かせないものがあります。それは、トップである校長が「どういった生徒を育てたいのか」という明確なビジョンを持つことです。私自身、これまで英語の教師を務めてきたこともあり、女性は狭い日本に止まらず、広く海外で活躍するべきだという考えを持っています。トリリンガル教育、国際交流、ICT教育に注力してきたのもそのためです。

もちろん、校長ひとりで教育改革を実現するのは難しいものです。だからこそ、教員の意見を積極的に取り入れ、教員全員を巻き込むようなマネジメントは不可欠です。私の場合は、物事を進める場合に、全教員へヒアリングを実施していますが、普段は発言するのが苦手な教員から思いがけない意見が上がってくることも多く、教員一人ひとりの力が教育改革を加速する原動力になると信じています。

神田女学園中学校高等学校(東京)

学科:中学(グローバルコース)、高等学校(グローバルコース/アドバンストコース/フューチャーコース)
生徒総数:327名

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