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国際バカロレア候補校が信念を持って貫く国際教育

朝日塾中等教育学校(岡山)校長 杉本 裕介先生
2018.11.09
※ 掲載内容は2018年11月現在のものです。

国際バカロレア候補校に認定された 中高一貫校が育てたい人材像

本校は「個性を伸ばすハイレベルの教育」を建学の精神とし、「利他(他人の幸福を願う豊かな心)」「叡智(豊かな心を育てるための深い知性)」「剛健(利他・叡智を身につける健全な心と身体)」を教育目標にしている中高一貫校です。これらの教育目標は、それぞれ別のものとして存在しているものではなく、順序立てて身につけるもの。6年間を通して、一つずつ身につけ、高校卒業までに3つすべてを兼ね備えた人材に育ってほしいという願いが込められています。

また、近年はグローバル化が加速する中で、どんな時代でもどんな場所でも生き抜ける「次世代を担うリーダーの育成」にも力を入れています。国際人としての理解と認識を高めるために、中等部1年から高等部3年までの各学年に中国、タイなどの国々から留学生を受け入れることで、異文化に触れる機会を与えています。

さらに、2018年には国際バカロレア機構(IBO)より国際バカロレア中等教育プログラム(MYP)の候補校に認定されました。国際バカロレア(IB)とは、世界の多様な価値観を理解した上で、未来に向け責任ある行動がとれる生徒の育成を目指す世界基準の教育プログラムのこと。現在は、IBワールドスクール(IB認定校)としての認定に向けた申請段階にありますが、IB認定校が掲げる「質の高い、チャレンジに満ちた国際教育に信念をもって取り組む」という理念を共有し、日々の教育活動に取り組んでいます。

学校の取り組みを 教育改革に活用するというアプローチ

知識・情報・技術をめぐる変化のスピードが加速し、情報化やグローバル化といった社会的変化が、私たちの予測を超えて進展するようになっている昨今、戦後最大規模の教育改革が始まろうとしています。文部科学省は新しい時代に必要となる資質・能力として、学びに向かう力(主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ姿勢)、知識・技能、思考力・判断力・表現力等を三つの柱として定義しており、現場ではe-Portfolioをはじめとした新しい取り組みへの対応を迫られています。文部科学省の指針に「どのように対応すればいいのか」と戸惑っていらっしゃる保護者・生徒も見受けられます。もちろん、これからの社会を見据えた教育のあり方について検討するのは重要ですが、それ以上に重要なのは、学校がこれまで大切にしてきた教育活動を見つめ直し、しっかり取り組むことだと考えています。

本校では、中高6年間を通じて、農業体験、職場体験、特別養護老人ホーム訪問、エコボランティア活動、広島・沖縄での平和学習、カナダ語学研修など、さまざまな体験学習を行っています。これらの活動を通じて、仲間と協働すること、地域と交流することの素晴らしさを肌で感じてほしいという思いがあるからです。本校の体験学習は「ただ体験すればいい」というものではなく、事前の調べ学習を行い、事後の振り返りとして、レポート作成、壁新聞作成、授業参観での発表等を行っています。「調べ学習→体験学習→振り返り」のサイクルをしっかり行うことで、初めて自分の考えや経験について深く考察することができ、生徒自身の成長につながると考えています。

「教育改革」という言葉だけが独り歩きすることで、これまで行ってきた活動をゼロにしてしまったり、入学した年度や学年によって受けられる教育に差が生じてしまっては意味がありません。大切なのは、これまで行ってきた体験学習に、文部科学省の指針や改革のポイントをいかにプラスできるか。どの学校にも伝統があり、これまでさまざまな活動に取り組んでこられたと思います。これまでの活動を見直すことで、次の学びに応用できる仕掛けを考える必要があると思います。

学校経営を取り巻く環境が変化する今 あえて問いたい教育の「証」

教育のあり方や教育活動を捉え直すことも大切ですが、戦後最大と言われる教育改革を迎える今だからこそ、教員のあり方、役割を捉え直すことも重要だと思います。少し自分の体験をお話することになりますが、私が恩師から学び、教員として大切にしている言葉があります。それは「教えたことの唯一の証は『変える』ことである。」という言葉です。

教員の指導によって、生徒の学力だけでなく、ものの見方や生活習慣が大きく変わることがあります。私は英語の教科担任として数多くの生徒と接してきましたが、過去に高校1年生であるにもかかわらず、中学1年生の既習事項が定着していない生徒がいました。高校1年次に個別指導を入れながら、根気強く指導した結果、無事に大学合格を果たしてくれました。「変わる」ことのお手伝いができたことを強く実感した出来事で、今でもこの生徒のことは記憶に残っています。

教員が生徒と接する一日一日、一時間一時間が、そのまま生徒の変化につながっていくと思いますし、教員はそういう責任を受け止めながら、生徒と接する必要があると考えています。本校としても、生徒を「変える」責任をしっかり受け止めることができる教員集団を目指していきたいと思います。

また、冒頭で申し上げましたが、本校では毎年一定数の留学生を受け入れています。生徒間でさまざまな国際交流が行われていますが、今後は、留学生が持つ語学力を活かして、お互いの学力を高め合う交流にシフトしていく必要があると思います。例えば、昼休みの時間を利用してオールイングリッシュの環境を作ったり、中国人の留学生が、日本人の生徒に対して中国語を教えたり。これからの社会は、外国人と共に働き、英語や中国語でコミュニケーションを取りながら成果を出す時代が当たり前の時代がやってきます。これからの社会を見据えて、日々、国際交流を体感できる環境を整備していきたいと考えています。

朝日塾中等教育学校(岡山)

岡山県 学校法人みつ朝日学園 朝日塾中等教育学校
学科:普通科
生徒数:1学年28名 2学年44名 3学年26名

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