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教員と生徒の主体性を重んじる 教育改革を先取りした学校運営を推進

中京学院大学附属中京高等学校(岐阜)校長/和田先生
2018.11.15
※ 掲載内容は2018年11月現在のものです。

文武不岐の建学の精神のもと 社会で輝く「真剣味」を備えた人材の育成に注力

本校は、岐阜県で大学、高校、幼稚園を運営する学校法人安達学園傘下の高等学校です。安達学園の『学術とスポーツの真剣味の殿堂たれ』という建学の精神のもと、学術とスポーツの両面で真摯に取り組む生徒の指導を50年以上の長きに渡って実践してきました。卒業生総数は3万人を超えています。建学以来校名が変遷しましたので少し紹介します。昭和38年建学時には『中京高等学校』で、その後『中京商業高等学校』として。この期間が一番長く文武両面に渡って名前を定着させたと思います。その後、『中京高等学校』に戻り、昨年度から学園内の連携をより強化する意味も含めて『中京学院大学附属中京高等学校』と校名を変更しました。中身も56年の歴史の中でさまざま改編しながら、現在は、文武コース、特別進学コース、国際コース、普通コース、商業コース、通信制課程など、生徒の個性を伸ばす多様なコースを用意。年間行事も豊富で、軟式野球部が全国選手権や国民体育大会で優勝するなど、クラブ活動にも積極的に取り組んでいます。

私が校長になった際に、本校独自の教育理念をわかりやすく整理整頓したつもりです。安達学園の建学の精神に基づき、安達学園としての教育ミッション、本校の教育目標、そして本校の教員達が日々の指導の中で生徒に伝えていた訓えなどを整理し、生徒にも理解しやすい形にまとめました。建学の精神で掲げる『真剣味』の『真』は真理探究の真(知育)、『剣』は剣道の剣さばきに代表される運動技能の象徴(体育)、『味』は人間味の味(徳育)を意味しています。「校訓」を通じて、自分自身を一個の自律した人間として確立させるために、2つの精神(文武)、3つの校訓(真剣味)、4つの具体的目標(自分を見つめる心・つながろうとする気持ち・あきらめない姿勢・強い心と体)、5つの約束事(挨拶・傾聴・時間約束・身形・清掃)を常に意識し、身につけ、行動していくことを生徒に求めるものとして表現しています。これらは本校独自の理念であると同時に、生徒たちがこれから向かおうとする時代や社会や地域に常に求め続けられていることでもあります。生徒一人ひとりが、人間性をよりしっかりと確立させ、将来社会の中で輝く一員になってほしいという願いが校訓には込められています。

加えて、日々の活動を通じて生徒たちに常に意識してほしいことは、「昨日より今日、今日より明日、去年より今年、今年より来年」という一歩前進の気持ちです。漫然と高校生活を過ごすのではなく、何か一つでも以前の自分を上回る成果と進展が生まれるように、努力と歩みを重ねてほしい。この気持ちを一人ひとりの生徒に持たせ続けたいと思っています。

教育改革を早期に先取りし アクティブラーニングや地域連携授業を推進

本校を含む安達学園の学校教育の目的は、生徒・学生の「思考力」「行動力」「コミュニケーション力」「セルフモチベーション力」の4つの力を育み、進んで行動できる真剣味のある人材を育成すること。そして、いかなる時代にも果敢に挑戦する人材を育成し、実社会へ真の実践力をもった人材を輩出していくことが当学園の使命(ミッション)であると定義しています。その意味では、これから本格化する教育改革を早期に先取りした形で学校運営を進めてきたと言えます。

例えば、主体性やコミュニケーション能力の育成のために、系列大学と連携したアクティブラーニング授業を実践しています。まずは文武コースにおいて試験的な授業を総合学習の中で開始。それに派生して系列大学と連携したアクティブラーニングに関するさまざまなプロジェクトが立ち上がり、それらの成果を踏まえて他のコースへも広げていきたいと考えています。

また、10年程前から地域連携を進めています。普通科の生徒が地域で開催される祭りに「演舞」や「運営サポート」担当として携わる取り組みを授業内で実践。清掃、案内、準備、運用サポートなどを通じて地域の方々と関わりを持つことで、地域における異年齢交流が図られています。また、商業科の生徒は、地域と連携した形でチャレンジショップを運営しています。東日本大震災後は東北の商品を販売し、熊本地震後は熊本の商品の販売も開始。被災地へ出向いて仕入れ先に挨拶へ伺ったり、ショップの売り上げを義援金として継続的に寄付したりすることで、生徒の社会とのつながりや自己肯定感の醸成につながっています。

本校は年間を通じて行事が多い学校でもありますが、行事の目的を明確にし、行事ごとの要項を作成して教育目標との紐づけも行っています。そして、生徒ならびに教員に対しアンケート形式の振り返りを実施しています。評価に反映させるかどうかは検討中ですが、こうした活動も教育改革を先取りした取り組みの1つといえるのではないかと思います。

行事の要項作成の一例

教員と生徒の主体性を尊重し 人を大切にする学校運営に努めていきたい

ここまで、本校のさまざまな取り組みを紹介してきましたが、今後は地域との連携をより深め、良い関係性を継続しさらに強固に構築していくことが大切だと考えています。生徒の主体性やコミュニケーション力の育成に効果的ですし、地域との関係だけでなく教員と生徒の関係性が深まる機会でもあります。また、コースやカリキュラムの改編等の実施とともに、特進コースを中心に学力面の向上も図っていきたいと考えています。

私は副校長としての経験が長かったため、教員からの相談をたくさん受けてきました。そうしたこともあって、先生方が『一生懸命やろうとする』ことに対し、私は原則反対しません。考え方が少しばかり違っていても、基本的には先生方を信頼して任せるようにしています。これが私の信条。結果的に、各コースとも先生方がさまざまなプロジェクトを主体的に進めてくれていますが、そうした活動をできるだけ後押ししてあげたいと思っています。一方で、先生方の負担が大きいことは悩ましい問題です。今後、取捨選択していくことも必要になってくるだろうと考えています。

私は父や姉が教員だったこともあり、子どもの頃から教員という仕事の「素晴らしさ」や「大変さ」を身近に見てきました。結果、その背中を追う形で私も教員になったわけですが、同じように素晴らしさや大変さを感じてきました。ただ、長い教員生活の中で、教え子の素直な心やまっすぐな言葉と触れ合った経験や、自分の作った教材やノートに感動したという声を生徒や保護者からもらった経験が、やはり印象に残っています。大変だったことよりも素晴らしいことのほうが強く心に残っています。本校の教員はみんながそんな経験をもっているはずです。

ですから、そういった経験を多く積んでいる一生懸命な教員には絶対の信頼をおいていますし、その取り組みは応援したいです。本校にとっての財産はまさに生徒と教員です。ですので、その主体性や意思を尊重したいし、集ってくれた生徒をはじめとする人の縁を大切にしていきたいです。教員として31年目を迎えた現在、本校の校長として、これらを根底とした学校運営に努めていきたいと考えています。

中京学院大学附属中京高等学校(岐阜)

岐阜県 学校法人安達学園 中京学院大学附属中京高等学校
学科:全日制(文武コース、普通コース、商業コース、特別進学コース、国際コース)、通信制
生徒数:1学年464名 2学年496名 3学年479名

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