インタビュー詳細
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成城学園中学高等学校(東京) 校長 中村 雅浩先生

校長先生自ら『スタディサプリENGLISH』を活用。他教科の学習体験から、「学び」に広さと深みを


中高の6年間は、多様な体験に基づく深い学びを通じて力の源を育む時期に

明治~大正期の教育革新に大きく貢献した澤柳政太郎が、大いなる教育の理想を求め1917年に成城小学校を設立しました。以後子どもたちの「天分」を伸ばし個性の花を開かせる教育が支持され、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、大学院を擁する総合学園へと発展し、現在に至ります。

「人生は、真善美を理想とすると言われるが、学校は真理行われ、道徳が通りまた美的の所でありたい。」と説いた澤柳政太郎の教育精神は、100年の年月を重ねて学園の風土となり、今も息づいています。中高の6年間はひとりの人間として大きな変化・成長を遂げる時期です。教室にとどまらず、学校生活・行事などたくさんの体験を通じて、五感に落とし込むような深い学びにつなげていくことを意識しています。また、生徒一人ひとりが自分の興味関心を広げ、持っている力を最大限に発揮できるよう、さまざまな教育プログラムを用意したいと考えています。その一環として、2020年度より本校の中学・高校で英語学習アプリを一新し、『スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)』と『スタディサプリENGLISH (英語4技能コース)』を導入しました。


自らが「スタディサプリ」で英語を学び直し、生徒と同じ視点で「気づき」を得る

はじめに取り組んだのは、自ら『スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)』で学ぶこと。英語科ではなく、理科の教員である私が、生徒とともに『スタディサプリ』で英語学習を始めたのは2020年4月、校長就任を機に、中高英語一貫教育の在り方や、英語の4技能について理解を深めたかったということもありますが、それ以上に、生徒と同じ視点で学びを体験して気づきを得たいという想いからでした。

学生時代、英語はあまり得意ではありませんでした。専攻が生物で、顕微鏡で細胞を観察したり、データを集めたりする日々でしたが、そのような研究活動の中で、英語の論文を読む必要があり、「英語=情報収集の手段」として、特殊な生物の専門用語をひたすら解読していました。教員になってから、生徒の海外研修に付き添う機会がありましたが、現地の人たちにゆっくり話しかけてもらってようやく理解できる程度のレベルでした。

そんな私が「英語学習を毎日続けられるのか」疑問でしたが、『スタディサプリENGLISH(日常英会話コース)』で学習を始めてから今日まで1日も欠かさず学習し、気づけば150時間以上学習していたのです。「連続学習記録をとめたくない」というモチベーションもさることながら、何より『スタディサプリENGLISH』で学ぶことが楽しかったのです。ここで感じた「学習の面白さ」は、初日からわかりました。

第一に、ストーリーの面白さ。主人公が個性豊かな留学生たちと出会い、英語が上達するにつれて、本音が言えるようになっていく過程が楽しく、つい続きが気になってしまいます。レベルの選択は、あえて、中学1年生から始めてみようと取り組みました。ところが、これが全然できなかったのです。自分がこれまで学校で学んできた英語は、4技能どころか1技能のみで、ひたすら「読む」ことしかやってこなかったのだと気づかされました。単語を知っていても耳から音としてその単語が入ってこないし、発音をしてみても正しい発音と判定してもらえない。こうしたことを、教材を通じて自らチェックできるのです。これは実際に体験してみないと分からないことでした。洋画を見ているとき、字幕を読んでいるのに英語が耳に入ってこなかったのは、音が脱落したりつながったりすることや、言葉の省略などがこんなに会話の中で頻繁に起こっていることを知らなかったからだと気づきました。



「知らない」生徒の気持ちを理解しつつ、教員の「教える」に深みを増す気づき

例えば、理科の教員からすれば、「なぜ理科を学ぶのか」という視点はなかなか持ちづらいものです。教員は教えることを深めていくほど、素朴で根源的な「なぜ」に気付けなくなりがちです。なぜなら「知っている」状態からは「知らない」生徒の気持ちを理解することが難しいからです。私は生徒に、「わからなかったら、自分より早くわかるようになった友達に説明してもらいなさい」とよく言います。教員が専門外の教科の学習を経験すると、その「なぜ」という視点や「わからない」という生徒の気持ちが理解できるようになり、「教える」ことに深みが増すきっかけになるのではないかと思います。

他の教員にも『スタディサプリENGLISH』の学習希望を募ったところ、初回で20名の応募がありました。現在も、多くの教員が楽しんで学習に取り組んでいるようです。また、先日は、保健室にいた生徒とたまたま『スタディサプリENGLISH』に登場する主人公が話題になり話が盛り上がりました。『スタディサプリ』は生徒とのコミュニケーションにも役立っています。

また、「ディクテーション」はキーボードが使えない生徒にとってハードルが高いですが、練習すればITリテラシーの向上につながります。このように、英語の教材を通じて、学ぶ力は教科の垣根を越えて、学校全体で育成していくものであるという考えのヒントになりました。本校が育みたい子どもたちの力は、未来を「拓き」、人と人との多様な結びつきを「編み」、自分自身を含めて柔軟に物事を「変える・変わる」ことができるようになる力です。英語は世界に通じる扉。知を蓄え、大きく羽ばたく力を養っていけるよう、教職員一丸となって努めてまいります。


成城学園中学・高等学校(東京都)

学 科:
普通科
生徒数:
中学(1学年242名 2学年242名 3学年246名)   
高校(1学年287名 2学年287名 3学年271名)



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