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高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」の概要・活用の意義<後編>

2018.02.05 進路

極めて早いスピード感で進む「高大接続改革」。平成33年度の大学入学者選抜実施要項では、「主体性等」を評価するために、調査書、推薦書、提出書類等の充実が図られ、大学・高校それぞれでの対応が必要となってきます。そこで活用できるのが、高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」。文部科学省で構築・運営する、高校eポートフォリオ、大学出願ポータルサイトです。こちらの活用法や、「主体性等」を含む多面的総合的評価について、関西学院大学の尾木義久先生にご講演いただいた内容を全2回に分けてお届けします。
後編では、そもそもこのような改革はなぜ必要になるのか、高校の先生方とも共有したいある危機感についてもお話が及びます。ぜひお読みください。

主体性とは、「どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか」

平成31年度の入試で、主体性を評価しようという大学が80校近く出てきています。先日も首都大東京と一緒にセッションやらせていただきました。首都大東京も、実は学力三要素をすべての入試で評価すると発表されています。

首都大東京はやるんです、学力三大要素評価。そういった中、どんどんその学力三要素評価をする大学が増えていって、今後かなりの大学が学力三要素の評価をやるだろうと、これはもう間違いないところですので、このところは少し頭に入れていただきたい。

37年度入学のところであるのが、この学習指導要領の中の、確認すべき項目ですね。「育成すべき資質能力」について。一番目が、「何を知っているか・何ができるか」知識技能ですね。「知っていること・できることをどう使うか」思考力、判断力、表現力です。そして三番目のところです。ちょっとさっきの探求の話ともつながってまいります。「どのように社会・世界と関わり、より良い人生を送るか」という。これが、主体性だっていう話なんですよ。

どのように、社会、世界と関わり、より良い人生を送るか。学びに向かう力、人間性。探求のところって、まさにやっているのはこれなんです。

例えばスーパーグローバルハイスクールもそうですよね。国際課題に関して、課題設定して取り組んでいくんです。ここがキーです。これが、我々が主体性等基準を作る時に拠りどころにしたものです。

どうも大学の先生方が集まると、哲学的な議論となって、結論出ないんですよ。だから、「主体性」って何なのっていう議論してるともうこれは日が暮れてしまいますので、中教審の学習指導要領が目指す姿の部分を拠りどころにしながらやってます。

主体性。主体的に学習に取り組む態度。主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力。自己の感情や行動を統制する能力。自らの思考のプロセス等を客観的に捉える力など、いわゆるメタ認知に関するもの。

先ほど振り返り項目をたくさん入れたっていう話をしたんですけども、ここをポートフォリオの中で捉えておきたい。大学にそこを見せたいということで入れています。

次、多様性を尊重する態度と、互いの良さを生かして協働する力。持続可能な社会作りに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなど人間性に関するもの。一応、学びに向かう力、人間性の定義って、こういうところなんですね。これをやっぱり評価する形に最終的にはなっていくんだと。

33年度の入試改革を皮切りに、37年度にはほとんどの大学で入試改革が行われる

http://teachers.studysapuri.jp/wp-admin/post-new.php?post_type=case#それがどういうスケジュールで行われるのかということなんですが、国大協(国立大学協会)が、もう既に4技能のこととか共通テストの活用については出されてますから、主体性等に関する部分についても、今年度末、3月には出てくると思います。

そして、東京大学、京都大学を皮切りにしながら、各大学が33年度入試内容の告知をするはずです。で、33年度の入試改革がこれで一旦行われますが、33年度の入試が行われる32年度で、文部科学省が、おそらく32年7月くらいに、37年度の大学入試選抜の実施要項を出します。その内容が、ここでの入試改革になります。その翌年から、学習指導要領に関する学習が始まっていくという、こういう流れなんですね。

委託事業の中では、この31年度入試で、実証事業を行っていきます。委託事業が終わりましたら、別の法人が運営主体となって、管理していきますが、JAPAN e-Portfolioなどを使って、主体性の入試の内容が行われていくということです。

調査書とポートフォリオの切り分け

もう一つ、調査書の内容と、ポートフォリオの内容の切り分けの話をここで書きました。いろんなところでこのお話はさせていただいているんですけど、静岡県の教育委員会で言われました。「尾木さん、俺たちは調査書の内容については責任を持つけど、ポートフォリオの内容までは責任持てないよ。その承認をする項目っていうのは別だけど、生徒が自由に記述した部分って、これは(責任)持てないよ」と。その通りだと思うんですね。

まさに、調査書の部分と、JAPAN e-Portfolioっていうのはかぶる部分があります。例えばさっきの生徒会の情報とか、部活動の大会の記録、資格、これらは調査書でも入りますよね。これはポートフォリオでもできる。

ただデジタル調査書自体は、どうも今の流れだとすぐには動き始めないと思います。結構時間かかっちゃうんです。例えば各都道府県の教育委員会で、このシステム、調査書デジタル化するんで改訂してくださいって言っても、すぐに予算はつかないですよね。今年改訂したばっかりなのにまたやるの、みたいな話になるわけです。だからそういった意味ではデジタル調査書がすぐできるのかっていう課題があります。

もう一つは、先ほどあったデジタルに関する情報ですね。いわゆる公務システムの情報は、セキュリティガイドラインがあるわけですから、出せない。その辺をどういうふうにしていくのか。調査書はなかなか進まないので、やっぱり当分の間、このJAPAN e-Portfolioが果たす役割ってめちゃめちゃでかいんです。

で、これがないと、大学は主体性の評価はデジタル情報として使えないんですよ。そういったところでいくと、一般入試の中で学力三要素を評価するということも踏まえて、JAPAN e-Portfolioの役割というのは、非常に大きくクローズアップされることになります。

調査書は高校の先生方の責任です。ポートフォリオの方はあくまでも生徒の責任です。こちらの責任は(先生方は)基本的に持つ必要はないと僕は思っています。

客観的事実に基づくものが中心で、主観的な記述についても、ポートフォリオは行っています。成果の記録、プロセスの記録も入ってますよね。そういった形ですので、JAPAN e-Portfolioの調査書に関する部分は、一般入試でも使えるでしょうし、こういった内容については、時間をかけてする選抜入試なんかに使っていけるだろうということですね。

一般選抜は大学の「ご都合」でやってきた

こんな話をしていく中で、先生方は現状の入試を前提に、僕の話を今聞かれてると思うんですね。今日、若い先生方もいらっしゃってます。もう私もあと十数年しかこの仕事はできないんですけれども、若い先生方にぜひお願いしたいのは、私の今日の話、あと十年後に振り返っていただいて、あ、そうなったかなと。

その内容をお話しますと、おそらく、この一般選抜の割合っていうのはこれからどんどん減っていきます。私どもの主要大学ではそんな大きな減り方はしないと思いますけども、それでも一般選抜は減ります。

国立大学は、はっきりと3割を、総合型選抜、推薦型選抜に変えられました。これだけでも非常に大きいですよね。8割から7割くらいが今まで一般だったものが、(総合型選抜、推薦型選抜が)3割になったんです。ある大学はもう5割にするって言われてますね。

そうなってくると、私どものような大学って、実は国立大学の併願がすごく多いんです。この割合が国立で増えれば、我々の大学でも、一般入試の数が必ず減るんですよ。減ってきたところで各私立大学がこの割合をどんどん増やすということになってくると、やっぱり一般選抜っていうのは最終的にはキューって縮んじゃうんです。これ各大学、同じようなマーケティングをされているわけです。

それ以前に、やっぱり一般選抜自体が、大学のご都合でやっていることはもう間違いなくてですね。この間、ある教員とお話ししました。「尾木さん、一般選抜はさ、やっぱり大学のご都合でやってるんだよね。だって、1種類の問題を使って、それを1か所に集めて、それで一気に採点するわけでしょ。これってあくまでも大学のご都合なんだよ。それで一人ひとりの生徒の中身見れてるかって言ったら、やっぱり見れてないよな」って話をしていたんです。

例えば1,000人の志願者がいる入試があるとします。席次がつきますね1,000人。私どもの大学で300番以上合格にしたとします。この300番以上で合格して入学した子たちのGPAと入試の席次を、これを実はデータにとってるんですけど、連環見た時に、まったくありません。だいたい席次が良ければ、入学後のGPAもいいだろうと思うでしょう、ではないんです。

つまり、それを踏まえると、「尾木さんさ、 400番でもいいんじゃないの、その中で、関学でこれをやりたいんだ、みたいな子をやっぱり取るべきなんじゃないか」っていう話になってるんです。

入試はある意味、企業の面接のような形になっていく

実はこれもIRのデータなんですけど、関学で入学後に何をしたいかっていう動機を明確にして入った子たちっていうのは、入学後のGPAがめちゃくちゃいいんですね。関学で国連ユースボランティアっていうのをやっているんですが、これをやりたいって入ってきた子たち、成績めちゃくちゃいいんです。目的持って入った子たちは、やっぱりいいんですよ。

これ早稲田さんもコンソーシアムのところでおっしゃっていました。「早稲田大学では、国立大学と併願してる子たちの情報を全部とってるんだけれども、早稲田大学でこれをやりたい、と思って入った子たちっていうのは、やっぱり入学後も成績がいいんだ」って。だから早稲田は、第一希望を早稲田とする子たちを受け入れたいんだって今言われてますよね。これはもう明言されてます。

そういう形で、これはやっぱり「学びに向かう力」なんですけれども、こういったところをやっぱりしっかり見て採っていく。そうなっていくと、入試が、一般入試のような1点刻みの形ではなくて、ある種、企業の就職採用のような形の入試に変わってくるはずなんですね。

そう思っていただくと、JAPAN e-Portfolioの意味合い、あるいはポートフォリオの意味合いっていうのは、すごく出てくると思います。

主体性評価部分の重み付けは、選抜ごとに異なる

その中で、やっぱり一般入試が課題ですので、一般入試でどのように活用するのかっていうパターン、一応大学はこういうことを想定しているということを、今日はお見せするために持ってきました。

各大学、アドミッション・ポリシーに基づいて入学選抜をしなければなりません。各大学学部が評価の対象とする項目を選んで評価するわけです。「我が大学ではこういったことを評価しますよ」というのを要項に示すんですね。例えば、関学ではリーダーシップを大事にしたいんだ、それを全部要項に書いていくということです。大学ごとにそれを出すんです。

我々、実は最初に「アドミッション・ポリシー」という言葉が出てきた時、何を言ってんだよって思ってたんですよ。今、英語、国語、地歴、数学の選択3科目で入試やっている中に、アドミッション・ポリシーなんかないじゃないかって思ってたわけですね。

でもそうではなくて、それプラス、主体性が加わることによって、やっぱりアドミッション・ポリシーが見えてくるんです。見える化していくんですよね。

それからあともう一つ、学力三要素の評価です。入試試験制度ごとに評価の重み付けはやっぱり異なるわけですね。この主体性評価をするっていう話の中でいつもご指摘受ける。首都大東京でもご指摘受けました。高等学校の先生方からは、「都市部の子たちだけが有利になるんじゃないですか」と言われました。いや違いますよ、と。資格とかそういったものだけを評価するものじゃないんだということですね。

それぞれにやっぱり重み付けが異なるんです。一般とAO推薦では重み付けがやっぱり違うということですね。

JAPAN e-Portfolioの活用法

どんな使い方するのか。例えば、英語の検定試験の成績のスコアで、英検2級以上あれば出願できますよ、という入試がありますよね。こういったところで情報が使われます。

やはり大学側はこれが欲しいんですよ。これがないと手に負えないんです。英語の技能は必須化されていきますから。ここで入った情報を使って、出願資格の確認をする。こういう使い方ができます。

あるいは国立大学の共通テスト、この点数に個別試験の得点を加え、主体性評価の得点を定めて、スコア化して合計スコアで評価する。首都大では、1350点のうちの50点って確か言ってらっしゃったと思います。これはモデルの部分なので、学部ごとに違うかもしれませんけれども。

あるいは、私立大学のセンター利用入試に変わる共通テスト。これに、主体性評価が加わって合計スコアでやる。あるいは、個別選抜に主体性評価を足して合計スコアでやる。この重み付けは大学ごとに変わるはずなんですね。

これ、関西学院大学で今年やる入試です。英語、国語、地歴、数学とあって、500点のペーパーの対して、主体性評価部分は10点です。これでもいいんです。学力三要素評価になりますから。重み付けは10点なんですよ。

さっきお話しましたが、要は資格ばかり取る子が有利になるんじゃないということです。やっぱり、授業、これがベースにあって、知識技能、これがベースなんです。そこに思考力、判断力、表現力があって、主体性が一般入試の中で10点という重み付けなんです。
これが総合型選抜であれば、もう少し高い重み付けになりますよね。例えば一芸入試なんかそうですよね。まずは、生徒会長がなかったら出願できませんよなんていう入試もあります。重みづけがすごい大きいわけです。重み付けが異なるんだということです。

ボーダーライン近辺での判断材料にする

こういった形で、要項にも何をどう評価するのかということを、ここに明示させていただいています。こういったリーダーシップに関する項目について評価する。

これ、10点が大きいか小さいかなんですけど、実は関学の場合は結構大きいんです。1点刻みのところに何人か並びますから。10点で刻んだ時には5、60人並ぶわけです。こういったものが、いわゆるボーダーのところでは実は入れ替わりの現象になるだろうと思います。

もともと生徒会長で何点だと得点を定めて、ポートフォリオのデータをインポートしたら、機械的に得点化して合否判定をすると、こういうイメージですね。

もう一つ、各大学では、調査書は実は現状の実施要領でも参考資料にしなきゃいけないことになっています。よく言われるのは、現実的にはボーダーラインのところで、それがやっぱり見えるのかなと。

さっきお話した部分と同じなんですけども、全員を参考にするけれども、特にボーダーライン近辺をじっくり見て評価するという方が現実的かな、という声は、いろんな大学から上がっています。こういうやり方をする大学っていうのは出てくるんじゃないかとは思います。

各学部ごとに、大学ごとに何をどう評価するのかということなんですけれども、これを定めて評価していく、ということです。その得点、あとは総合型選抜の場合はどういうふうにするのかみたいなものを今回作っています。

ポートフォリオをきっかけに教育の歪みも正さなければならない

そして、先ほどもあったプロセス評価、リフレクションを見るということですね。生徒の失敗の中から、あ、この子の学びに向かう力がここから生まれたんだ、ということを見るんです。

「ここの指導がいるんじゃないの」といったことをいろんな高校から言われるんですが、正直申し上げて、指導にも良い指導と悪い指導があると思っています。対策ですね。いわゆる対策にも良い対策と悪い対策があって、当然ながら、ペーパーテストの対策をされるのも、十分必要なことですよね。

ところが、「こういうふうに書けばこの大学は受かるから」という対策は本当に必要なのかということには、我々は非常に疑問を持っています。もう、本当はやめていただきたいと。なぜかというと、出願の時に面接すると、全部わかっちゃうんです。あるいは、紙で出てきた時に、これはもう完全に大人が書いたものなんだなっていうのは、わかっちゃうんです。予備校も、志望理由書なんかもかなり手を入れられますよね。でもまあこれ本人書いてないでしょ、っていうのがわかるわけです。

そうではなくて、やっぱり本人の、文章表現だとかを鍛えていただきながら、本人の力で書くということがまず基本ですよね。それの添削はあるかもしれませんけども、やっぱり最初から手を入れるという話は、ちょっと違うと思うんですよ。ポートフォリオの内容に手を入れていくって、ちょっと違う。

こういった話が出てくると、主体性評価の中で、例えば生徒会長の話なんかもありまして。関学は、生徒会長を評価するわけですが、「そんなことしたらうちの高校では、保護者がうちの子どもを役員にしろって言ってきます」と言われる。それで、「先生、ちょっと違うんじゃないですか。生徒会ってそんなもんですか」っていう話をするんです。

少子化になって、生き残りがかかるといった話になっているわけですが、なんとなく、教育の歪みが出てきていることは間違いなくてですね。僕はある意味、このポートフォリオをきっかけにしながら、そう言った歪みというのも正していかないといけないんじゃないかと思っています。

何かがちょっとおかしい、歪んでいる。生徒会の役員になるのに親が口を出すって、ちょっと違いますよね。それは違うと思いますよっていう話を、僕はしていますけれども。先生方、どうお思いになられるでしょうか。

「客観性・公平性」の入試から、「妥当性・信頼性」の入試へ

といったところで、さまざまな形で評価がされるということなんですが、今後の流れとして、これがどうなっていくのかという話をしたいと思います。

これは、各大学でどういう基準で生徒を評価するんだろうという、基準表のようなものを抽出したものです。最終的にはここですね。デジタル調査書ができてきますので、これがプラットフォームとなります。

要は、各大学の入試スタイルが変わっていくということに、気づきを持っていただきたいわけです。「もうあと何年しかないし知らんよ」ということではなく、気づきを持っていただきたい。

1点刻みの「客観性・公平性」の入試から、多元的な評価をする「妥当性・信頼性」の入試に移るんだということです。ここがポイントです。文科省が、要項にすべて書きなさいと言ったのはそれなんですね。それを明示した上で選抜するということです。

例えば企業の面接で「俺なんで落ちたんですか」って聞いても企業は言わないですよね。でもあらかじめ、こういった人が求められているということは明示しているはずです。言ってみればそういう形になっていくんです。

ペーパーも残りますから、ある種「客観性・公平性」の観点も当然残るわけですけれども、「妥当性・信頼性」の観点も残るということです。

これからの時代を子どもたちが生き抜くために、入試を変えていくことが必要

最後にメッセージなんですけれども、おそらく今回お集まりの先生方で、「やらねばいかんしな」ということでお話を聞きに来られた方もいらっしゃると思うんですが、私はその視点でお話を聞いていただくと、あんまり物事が進まないんじゃないかな、と思っています。

要は、これからの生徒たちがどんな時代を生きるのかということを、よくよく考えていただくということが前提にあってですね。「文科省の高大接続改革っていうのはなんやねん」というのはあったかもしれませんが、やっぱり必要なことなんだと。

こんな時代の中で、子どもたち、彼らは生きていくんです。特にあるのが、AIの話です。今ある仕事の60%がもうすべて機械にとって代わられます。ところが日本って、この分野はめちゃくちゃ遅れていたりしますね。ご存知だと思いますが、AIの研究トップテンの中に、日本は入ってませんからね。

中国の品物、クオリティとかについて、いろんな声が上がりますけれども、AIの分野では日本は完全に圧倒されてますよ。極めて危ないです。

社会そのものがすごいスピードで変わっていってるんです。我々もその時代に生きてますけどね、この中で子どもたちが生きるわけです。

その中で、この学びに向かう力、人間性の話なんですよ。これまでの社会の、知識技能だけじゃ、もうダメになっちゃったっていう話なんです。そこに思考力、判断力、表現力や学びに向かう力、人間性がないと、子どもたちは生きていけないんです。

仕事がなくなった後も、また新たな仕事をちゃんとやっていけるのかっていうこと。その力をやっぱり我々教育する側が、高等学校や大学でつけてあげる。つける環境を整えるということですよね。銀行もすでに削減の話を出しています。やっぱりそういう話が出ている。

これ、ご覧になったことありますか。文科省の資料ですけれども。愕然とします。「自分は価値ある人間だ」と思っている割合、日本、米国、中国、韓国で、日本は半分だけですよ。まあ謙虚でいいかなと、これならまだしも。自分はダメだと思っている割合って、他の国の倍です。

こんな状態で、これから来るいろんな課題に対して向き合っていけるのかという話です。僕はこれ絶対に無理だと思います。これをやっぱり、高校と大学は共有しなきゃいけないし、当然ながら文科省も意識しながら改革をしているわけです。そういう意識に至らないと、やっぱりやらされてやってる、やらされる改革でしかないわけです。

「私の参加により変えて欲しい社会現象が変えられるかもしれない」日本はこれ、30%です。他の国からこれもまた半分です。もうおわかりになると思います。これでは、社会の課題解決が本当にできないです。そこで今回、探求が入ったわけです。多分ご理解いただけたと思います。こういったことなんです。

「どのようにして社会と関わり、より良い人生を送るか」という、これはもう学習指導要領に盛り込まれますから、ここをやっぱり高校の段階で先生方に伸ばしていただいて、そして我々大学がどう選抜するのか。そのためには、やっぱりこのポートフォリオを活用しなきゃいけないっていう話ですね。

その点で行きますと、やっぱりこれからの時代に向けて、我々大学が、入試を変えていくという部分が当然必要だと。そこはやはり、高等学校の先生方のご協力を得てのものです。

JAPAN e-Portfolioは、みんなで育てていくもの

JAPAN e-Portfolioは今年で委託事業3年目なんですけれども、完成しません。いや完成させないのかよ、とおっしゃるかと思いますが、たった3年では完成できないんです。

これをこれからどう育てていくのかというと、高等学校の先生方のお声をいただきながら、そして大学が入学者選抜で実際に使い、そのお声をいただきながら、みんなで育てていくんです。育てていって、生徒たちが、より良く使えるものを作り上げていく、そういった観点で作らせていただいています。

決して大学のご都合、そういうので作ったわけではありません。先生方と一緒になって作っていくんだということですね。

いろんな苦言などもいただきながら、このポートフォリオの改善に努めていきたいと思うんです。ですからまずは一旦使ってみていただきたい。生徒にも使っていただきたいんです。そこで、ユーザーとしての意見を出していただきたいんです。

来年の委託事業のところの実証事業では、主体性評価入試なんて、そんなにたくさん入りません。私どもの大学でも、スポーツ入試始め、全部の入試で使いますが、ペーパーでいただいた情報をデータで受け取るという観点です。そういう意味ではやっぱりまずは使ってみていただいて、来るべき33年度、37年度のところで、主体性が評価できるような形に整っていきますので、そこでうまく使えるようにしていただきたい。

特に今から使い始めていただければ、万一浪人をした生徒さんが困らないと思うんです。今使っていないと、浪人した生徒さんたちは、下の子たちから使ってたけど俺たち使ってないから出せないや、みたいなことになっちゃう。

一応、実証事業の中では、JAPAN e-Portfolioを使ってない生徒たちについては、紙ベースで提出できるようにするなど、完全な配慮をするようにはお願いをして参りますから、そこは安心いただきたいんですが、できれば早い段階からエスコートしていただきたいなと、これがお願いです。

時間をちょっと超過してしまいました。これで私の講演を終えたいと思います。本日はありがとうございました。以上でございます。

(会場拍手)

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