活用事例

学力低下を食い止めるため 朝学習と宿題配信で学習習慣の定着を目指す

鶴岡工業高等学校(山形県)
2020.04.15
写真左から教務/村上先生、1学年/小野先生・澁谷先生、2学年/児玉先生、1年生/増子先生、教務/船田先生
写真左から教務/村上先生、1学年/小野先生・澁谷先生、2学年/児玉先生、1年生/増子先生、教務/船田先生
課題
  • 進学希望者より就職希望者が多いこともあり、積極的に家庭学習に取り組む生徒が少しずつ減ってしまっている。
  • 学力不足を克服する取り組みについても、学年で統一した取り組みができていなかった。
 活用ポイント
  • 到達度テストの範囲に沿って、取り組む講義内容を計画し、朝学習の時間に取り組ませた。教員は、生徒の理解度と取り組み状況をfor TEACHERSで確認。
  • 夏休み前のLHRの時間を活用して部活、学習などに対する目標設定をポートフォリオに記入。夏休み中の宿題として、最低3テーマ分の記入を促した。
 活用効果
  • 宿題配信した内容以外の講義動画を自主的に見ている生徒や、活動メモを自主的に投稿する生徒が出てきた。
  • 個人へメッセージを送る機能があり、生徒とのコミュニケーションの質が高まった。

学年が上がるにつれて家庭学習量が減り、学力低下の一因となっている。 学習習慣を定着させる取り組みが不可欠

本校は誠実勤労・質実剛健を校訓とし、文武両道の校風を引き継ぎ、地域の未来を考え、さらに国際的視野に立って世界平和につながる工業の発展に貢献できる人材を養うことを目標にしています。機械科、電気電子科、情報通信科、建築科、環境化学科の5科を設置し、高い就職率を実現していますが、進学より就職を希望する生徒が多いこともあり、入学後に学力が落ちてしまう傾向にありました。学力低下を克服する取り組みとして、朝学習の時間を活用していますが、専科は資格の勉強をさせるなど、各科で足並みが揃っておらず、学年で統一した取り組みがなされていませんでした。

スタディサプリは進学希望の生徒が自主的に使っていたのを見て知りました。模擬試験を受けていても他校との比較ができていなかったことや、年々生徒数が減少していることもあって、対策を講じる必要があり、導入を検討しました。

実際、教員同士でスタディサプリを使ってみると、機能はシンプルで、どのように使うかを直感的にイメージしやすいという印象でした。また、講義動画のラインナップが充実しており、中学校の既習範囲の復習にも活用できるため、本校の生徒に適しているのではないかと考えました。ただ、どんな講義動画があって、学力不足や学習習慣の定着という課題をどのように解決していくか、つまり、どんな活用方法が適しているのかを理解するのに多少時間がかかった側面もありました。
1学年/小野先生、2学年/児玉先生、1年生/増子先生

朝学習と宿題配信を連動した活用方法を考案。 長期休みにはポートフォリオも積極的に活用

活用のポイントとしては、国語、数学、英語の科目で統一した取り組みを行った点です。具体的には①到達度テストの範囲に沿って、事前に取り組む内容を計画 ②朝学習の時間に毎日、国数英ベースメントの問題にチャレンジ ③朝学習で実施した内容と同じ内容を毎日配信し、理解度と取り組み状況をfor TEACHERSで確認 ④進学クラスは適宜国語、数学、英語の授業に合わせて講義動画、確認テストを配信するという取り組みを行いました。宿題配信は授業に合った内容を選択して行っています。

また、夏休みの課題として、ポートフォリオも活用しています。まず、夏休み前のLHRを活用して、①部活動や学習などに対する目標、②その目標を設定した理由、③目標に向けた行動計画という3項目です。それをもとに、最低でも3テーマの記入を宿題として課しました。そのほか、「保健講話の感想」や「学期の振り返り」、「家庭学習時間調査」など、アンケート配信をすることで記録に残して活用しています。

配信の頻度や宿題の量の調整は、2学年は担当の教員、1学年は学年主任と相談しながら学習担当が行っています。生徒への声かけは担任から行っており、運営の体制も整ってきました。ただし、実際の活用については、科によって温度差があります。例えば、進学を希望する生徒のために開校したクラスではうまく活用できても、専科では学習より資格取得をメインとしているため、生徒の意欲がそこまで高くありません。生徒のモチベーションをどう維持していくのかがこれからの課題になると思います。

宿題以外の動画を積極的に視聴する生徒が現れた。 メッセージ機能を通じて生徒とのコミュニケーションが活性化

スタディサプリを導入したことによって、生徒に学習習慣が身についたと言うのは難しいですが、公務員志望の生徒が、宿題配信した講義以外の動画を視聴したり、さまざまな単元に興味を持って自主的に視聴したりする生徒も出てきました。また、生徒個人にメッセージを送れる機能が追加されたことにより、生徒とコミュニケーションが取れるようになったのは大きな利点です。1学年では、宿題未提出者へ「夏休みに集まろう」とメッセージを送ったところ、その機能により未提出者全員が集合することができました。また、長期休みの間に活動メモを記入するように指示したところ、投稿機能を気に入った生徒は常にアップしてくれています。その結果、積極的に話しかけてこない生徒の様子もよくわかるようになりました。

先生にとって「教員=教える+○○(新しい役割)」の○○にあてはまるこれからの教員のありかたとは―

教員=教える+「ともに学び成長する」

生徒とともに過ごしていると、例え間違っている答えであっても、「なるほど」と思う答えが返ってくることがあります。これからの教員は、そうたした生徒の柔軟な考えを受け止めて、教えること、そしてともに学んでいく必要があるのではないかと思います。
生徒一人ひとりが今、何を思い、何を頑張っていて、何につまずいているのか、教室で見ていただけではなかなか測り知ることはできませんが、スタディサプリのツールを用いて生徒とコミュニケーションを取ることにより、今まで知らなかった一面を垣間見ることができるようになりました。あまりコミュニケーションが取れない生徒こそ、そうした一面を知り、ともに成長していくために、メッセージ機能や学習機能などを有効に活用していきたいです。
教員にとって、配信作業という手間は増えていますが、朝学習のプリント印刷や回収がなくなったのは大きなメリットです。また、テストの作成、採点という作業もデジタル化されたのは大きいと思います。アンケート機能も回答の集約ができるので、時間短縮につながっています。「学習習慣を身につける」という目的自体は、まだ達成できていないため、朝学習から家庭学習につなげていくことを来年度に向けて取り組んでいきたいと考えています。
鶴岡工業高等学校(山形県)
学 科:機械科、電気電子科、情報通信科、建築科、環境化学科
生徒数:1学年190名 2学年192名 3学年199名
鶴岡工業高等学校
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