活用事例

一人ひとりに最適化した学習で
入学時の学力差を埋めた進路多様校

函館大学付属柏稜高等学校(北海道)
2021.6.16
校長・国語/扇柳先生、進路指導部・数学/大原先生
課題
  • 入学者の学力に開きがあり、国語・英語・数学で「学び直し」の時間を設けていたものの、抜け漏れの範囲が一人ひとり異なるため、個別に指導する難しさを感じていた。中には、中学校以前の小学校範囲に立ち戻る必要のある生徒もいた。
  • 授業外学習時間が平均30分未満と短く、自主学習を促すツールを探していた。
  •  
 活用ポイント
  • 視聴に慣れてもらうため、しばらくの間、教室で電子黒板を用いてクラス全体での動画視聴を行った。
  •  春と秋の「到達度テスト」と、毎週月・水・金の「連動課題配信」で個別最適化された学習を進めている。
活用効果
  • 授業外学習時間「30分未満」という生徒が70%から44%まで減少。全体のボリュームゾーンが「30分未満」から「30分以上1時間未満」に変化し、学習時間の伸びが見られた。
  •  数学の「到達度テスト」の平均点が春から秋にかけて19点上昇。30点台から70点台へスコアアップした生徒も現れた。

生徒によって異なる抜け漏れを埋めるために。
活用校視察を経て、スタディサプリの導入を決定

本校では、自主自立の精神にあふれ、未来への確かな意志を持ち、生涯にわたって学び続けるための基礎学力と学習力を備えた人材を育成することを目指しています。一人ひとりがさまざまな経験を積み重ねることで、理想の自分に近づいていくような、学び続ける姿勢を育みたいと考えています。

スタディサプリを導入する前は、入学者の学力差が課題でした。中学校までの学習範囲を補習する必要があり、国語・数学・英語でそれぞれ週1時間、学び直しの時間を設けていましたが、生徒によって苦手分野が異なるため対応の難しさを感じていました。また、授業外の学習時間が少ない点も課題として挙がっていました。そこで、生徒によって異なる、既習範囲の抜け漏れを埋めるため、学習ツールの導入を模索し始めました。スタディサプリは、野又学園関連校の函館大学で入学者のリメディアル教育に活用されていたので知っていましたが、他社教材と比較するなどして、約1年半をかけてじっくり検討しました。

学習ツールを検討する上で、スタディサプリを効果的に活用する東北の3校を視察させていただき、実際の活用方法を参考に、活用目的を「学び直し」に絞った上で、3つの理由からスタディサプリの導入を決定しました。1つ目は「到達度テスト」で抜け漏れを見つけて効率的に埋めていける仕組みがあること、2つ目はスマートフォンという生徒にとって身近な媒体で、すき間時間に学習できること、3つ目は他社教材と違って、小学校の学習範囲に立ち返ることが可能であることでした。

「生徒が講義動画を見てくれるのか」という不安はありましたが、導入する前の年に中学生向けのオープンスクールでスタディサプリに触れるブースを設置したところ、催しの終了時間を過ぎても動画を見続けている中学生の姿を見て、「きっかけがあれば使ってくれるだろう」という手応えを得ました。また、学校案内のパンフレットに「スタディサプリ導入」と記載していることで、中学生や保護者からの好意的な反応も得られています。

導入に際して、初年度は教員も生徒も手探りであったため戸惑いもありましたが、リクルートさんの丁寧なサポートもあり、次第に慣れていきました。また、生徒のスマートフォン端末を使用しているために、種類によって個別対応が必要なケースも若干ありましたが、タブレットを貸し出すなどして、現在はスムーズな活用が進んでいます。

月・水・金の連動課題配信で、授業内容を補完。
個別最適化した学習を進め、反転授業にも活用

まず、4月に「到達度テスト」を受検し、結果が戻ってくるまでの間に、スタディサプリの登録や講義動画の視聴に慣れてもらうため、しばらくの間、教室内で電子黒板を用いてクラス全体での講義動画視聴を行いました。その後、月・水・金に到達度テストの復習として連動課題の配信をスタートしました。教科だけではなく担任の先生も協力し、視聴を促す声かけを行っています。夏休みには連動課題の残りと、長期休暇のための全体配信も実施し、秋の「到達度テスト」につなげています。

「宿題配信専用講座」では、動画を細かく分けて送信ができるようになり、生徒側の視聴の負担を増やさず取り組んでもらえるようになったため、より活用が進みました。また、それぞれの生徒にとって必要な課題が優先順位をつけて配信される連動課題配信は大変便利な機能です。教員が生徒各々のつまずきを把握し、その都度、その範囲に即した課題を出すということは現実的には難しいので、スタディサプリで、個別最適化された学習を進めることができるのは画期的だと思います。
理系のクラスではまずスタディサプリの講座を視聴してから授業に臨む「反転授業」を行い、問題演習に時間を割けるようになりました。その結果、コロナ禍にもかかわらずカリキュラムを早く終わらせることができました。

授業外学習時間が「30分未満」から「30分以上1時間未満」へと増加。
学習を可視化したことで、コミュニケーションの機会も増加

スタディサプリの活用が進むとともに、授業外学習時間も増加しています。平成31年度は「学習時間30分未満」と答えた生徒が全体の70%だったのに対して、令和2年度は44%まで減少。ボリュームゾーンも「学習時間30分未満」から「30分以上1時間未満」へと変化しました。基礎学力についても、昨年の春から夏にかけて、数学の「到達度テスト」の平均点が19点上昇。30点台から倍以上の70点台を取るようになった生徒もいます。やはり点数が取れればモチベーションにつながるようで、苦手科目の授業でも積極的に取り組む姿勢が見られるなど、生徒たちの変化を感じました。

教員側にとっても、紙ベースの宿題が減ったことで業務負担軽減につながっています。また、スタディサプリを導入したことで、生徒一人ひとりの性格に応じた学習の取り組み方までわかったことも大きな成果でした。たとえば、宿題が配信されるとすぐに取り組む生徒や、まとめて一気に取りかかる生徒、部活動の引退後に、すさまじい勢いでスタディサプリに取り組んでいる生徒など、それぞれの学習傾向の違いや、どの生徒がどの時間帯に取り組んでいるかまで把握できるので、教員から生徒に対して声をかけやすくなっています。

内定した就職先から、簿記検定を取得するようにと言われた生徒がおり、以前であればすぐに対応することは難しかったのですが、教員による簡単な指導に加えて、スタディサプリの簿記講座をを視聴した結果、簿記3級に92点という高得点で合格することができました。進路多様校として、スタディサプリが多彩な動画を取り揃えていることは大変有用に感じます。

スタディサプリ導入後は全体的に宿題の量が増えましたが、その結果、授業外学習時間の増加につながる要因となりました。もともと生徒と教員のコミュニケーションが多い学校ではありましたが、スタディサプリの活用により、意外な生徒が動画を視聴していたり、頑張っている生徒をランキングなどで発見することができたりと、授業外学習を可視化できたことで、以前にも増してコミュニケーションが増えています。

今後の目標として、生徒たちには日々の宿題配信をこなすだけではなく、スタディサプリのアダプティブ性を活かし、それぞれの進路を実現するため必要な学びを自ら見つけて取り組むことができるような主体的な学習を目指してもらいたいと思います。勉強はわかるようになれば楽しいものです。その楽しさを実感できる生徒を増やしていき、教員が把握しきれないほど自主視聴が増えてくる状況をイメージして、理想に近づけるよう活用を促していきたいです。
私立 函館大学付属柏稜高等学校(北海道)
学科:普通科、商業科
対象生徒数:1学年132名 2学年147名 3学年114名 
この事例で取り上げられたサービス
スタディサプリ

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