活用事例

導入のきっかけ・導入前の一番の課題

本校は2010年から特別支援教育の観点で学校改革を推進し、和歌山県内でもいち早く通級による指導をスタートさせた高校です。学習面などで多様な課題を抱えた生徒もおり、学習習熟クラス（20名程度）と学力伸長クラスの２タイプの学級を設定し、一人ひとりに寄り添った支援・指導を行っています。しかしその一方で、クラス内の学力差が大きく、個別最適な学びを提供するために、以前は朝学習で一人ひとりに異なるプリント教材を配布・採点するなど、教員の負担も少なくありませんでした。また、教材の準備・採点に時間や意識を奪われ、生徒一人ひとりの学習のつまずきや様子を教員全体でしっかり把握できていない、という状況も課題のひとつでした。そうした中でコロナ禍となり、生徒一人に一台のパソコンが県下で導入されたことをきっかけに、オンライン教材の提供や、教員の負担軽減、より効果的な学習指導につなげるべく、スタディサプリ学習支援サービスの導入を決定しました。

導入してよかったこと①

スタディサプリは主に“朝学習”の時間に活用し、学年共通のWEBテストを毎回配信しています。学校改革のひとつとして本格的に始まった朝学習は、一日の学びの環境を整えることを目的に、毎朝10分間、小・中学校の学び直しを中心とした教材に取り組んできました。現在はこのスタディサプリでの朝学習が、一日の始まりのルーティンとなっています。以前は担任がテストを回収し採点していましたが、いまは解答後すぐに自動採点され、どこを間違えたのかが一目でわかるので、生徒たちは結果に一喜一憂しながら、自分の苦手分野の認識にもつながっています。スタディサプリ利用に関する校内アンケートを行ったところ、多数の生徒がアプリ学習に好意的で、「英語は苦手だったがこれで頑張ってみたい」といった前向きな意見も見られました。紙の『到達度テスト』も年２回実施し、一人ひとりの理解度やつまずきを詳細なレポートで確認しています。結果と連動した課題を配信できる点も大きなメリットだと感じています。

導入してよかったこと②

テストの採点結果は、担任以外の教員も管理システムで確認できるため、「この問題の正答率が低いな」「ここはみんな苦手そうだな」といった気づきを、私が担当する数学の授業では意識して活かすようになりました。また、授業中に演習問題をすぐに解き終えてしまう生徒にはより難易度の高い問題を配信することで、個別最適な学びにもつながっています。スタディサプリの講座は、小学校から大学受験レベルまで膨大なラインナップから選べるところも大きな魅力です。教材の準備・テストの採点に時間を費やしていた導入前に比べ、業務効率化されたことで、生徒一人ひとりの学習のつまずきや様子を見る時間が確保され、小さな変化も感じられるようになりました。本校に入学する生徒の中には、学習に強い苦手意識を持った生徒や、つまずきを見過ごされてきた生徒が少なくありません。こうしたICTツールの活用や教員のサポートの積み重ねによって、できることを徐々に増やし、少しでも自信をつけて成長してもらえれば、と思いながら日々生徒と向き合っています。