活用事例

進学・就職に必要な学習を個別サポートし
不登校支援での活用で復学のきっかけを生み出す

大阪府立佐野工科高等学校(大阪府)
2025.6.3
毎日のSHRでスタディサプリを「朝活用」
 
課題
  •  生徒間で学力差があり、個別対応を行い「もっとできる」と思えるマインドを育てる必要性を感じていた。
  • 就職をする生徒が多い中で、社会で働く上で土台となる基礎学力を身につけてほしい。
 活用ポイント
  • SHRの朝学習にて担任の主導で活用。到達度テストは年に2回同一内容を受験し習得度をチェックする。
  • 不登校の生徒に対し、課題配信と提出のチェック・評価を行うツールとして活用。
 活用効果
  • 学習習慣が身についた生徒が多く、2回目の到達度テストでは多くの生徒の成績が向上した。

  • 不登校の生徒の中で、配信した課題(動画視聴+確認テスト)に取り組み、「再登校」につながった。

学びへの多様な向き合い方に応じた個別対応の方法を模索

本校は、関西・大阪万博が開催される2025年に創立100周年目を迎える伝統と実績のある工科高校です。「産業創造系」「機械系」「電気系」を有し、自分で体験することに重きを置く「モノづくり」教育に力を入れています。卒業後、一定数の生徒が進学する一方で、就職する生徒も多い中、学びに対しての向き合い方がさまざまで、生徒間の学力差が開いていました。学力別に個別対応を行い、「もっとできる」というマインドの醸成を図る必要があり、就職する生徒には社会で働く上で土台となる基礎学力をより一層身につけてもらいたいと考えていました。また、不登校支援においては、教員が学校に来ない生徒に課題を持っていき、回収して評価するという一連の流れがありましたが、物理的な制約もあり、不登校の生徒にもっと寄り添って個別に対応できるツールがないかと探していました。

こうした課題に対応するため、『スタディサプリ』導入の検討を始めました。『スタディサプリ』は短い動画で構成されているため生徒が取り掛かりやすく、コンテンツも多岐にわたることで学習指導において期待が持てるとともに、教員側の負担軽減につながる点も有効であると判断し、導入を決定いたしました。当初は、新しい取り組みに対して心理的にハードルを感じる教員も見受けられましたが、使い慣れていないICT端末の操作などを徐々に学びながら活用をスタートさせました。

3方向の活用で学習習慣の定着化を図る
不登校支援ではスタディサプリへの取り組みを単位として認定

活用は3方向で行いました。1つ目は、毎日のSHRにおける「朝活用」です。短時間の活用で習慣化につなげるため、生徒まかせにはせず、担任主導のもとクラス全体で取り組みました。2つ目は到達度テストの活用です。毎朝の取り組みに対する成果の確認という意味で、年に2回、同内容のテストを受験してもらいました。実際に毎日の勉強を積み重ねたことで、成績が向上した生徒が多く見受けられ手応えを感じました。
3つ目は、不登校支援での活用です。活用を始めるにあたって事前にシラバスを作成しました。シラバスでは各教科のバランスが良くなるように調整を行い、毎週、それに沿った内容を配信しています。取り組み率が不登校委員会の教員が集約し、教科担当が単位として認定する仕組みを導入し、生徒・保護者にも通達することで積極的に活用できました。

学年全体で学習量が増加し、上位層の生徒は特に自学が習慣化
不登校だった生徒が活用をきっかけに2学期から復学を果たす

導入1年目は1年生のみ、2年目は1・2年、3年目は全学年へと段階的に導入を進めていく中で、学校全体でツールとしての浸透が進んでいます。これまでは、基礎学力が足りない生徒に対し、高校の教員が小学校レベルの内容を教えることに対して難しい側面がありましたが、『スタディサプリ』の活用により既習範囲の内容は生徒が自分で学べる環境が整い、そのことにより基礎学力の向上が見られるようになりました。全体的にも学習量が増加し、特に上位層の生徒は自学の習慣が身について、安定して学習している様子が伝わってきています。

不登校支援ではスタディサプリの活用を一生懸命取り組んだ生徒が2学期から復学を果たしました。「勉強についていけるかどうか分からない」という不安が少なくなった心理的な変化も大きかったと思います。不登校の生徒は分からない問題が出てきた際にも質問をしたり、追加で講義を受けるなどがなかなか出来ない状況でしたが、『スタディサプリ』であれば分からない範囲に戻って自学できる点が良かったと思います。支援対象者7名のうち、4名が進級できることとなり、当初の想定を大幅に上回る良い成果となりました。また『スタディサプリ』を通じた緩やかなコミュニケーションも生徒側の心理的な負担の軽減になっているようです。家庭訪問に来られると圧を感じてしまう生徒も、ICTであれば良い距離感でコミュニケーションを続けることができ、教員側の、課題を渡したり回収したりという物理的な負担が減ったにもかかわらず、より効果的で継続した支援を行うことができました。

今後の活用としては、就職試験や就職後に向けてより一層の基礎学力の定着を図ると共に、進学する生徒に対しては学習の習慣化を促し、大学進学者の数を伸ばしていきたいと考えています。

大阪府立佐野工科高等学校(大阪府)
●生徒数:1学年 211名 2学年 202名 3学年 189名
ページ内容は2025年6月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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