活用事例

復習配信で「分かる!」を促し自学自習を定着化
受験に向けた『スタサプ部』で飛躍的な学力向上へ

足柄高等学校(神奈川県)
2023.12.22
(写真)2年社会科 内山先生 1年数学科水上先生
課題
  • ICT活用として県全体で端末が導入される中、学校だけではなく家庭学習でも活用できる方法を考えていた。
  • 勉強に苦手意識を持っている生徒をフォローできるような授業と体制づくりを行う必要があった。
 活用ポイント
  • 家庭学習も含めた学習時間を確保する活用を行う。授業で習った範囲を復習として配信することで「分かる!」という感覚を引き出し、到達度テスト後の連動課題配信では取組状況を確認し、できていない生徒への声掛けを意識して行う。
  • 志望大学合格に向けた活用として、有志による『スタサプ部』を発足させ、月に1度集まって、学習計画策定や学習データを用いた振り返りを行うことでモチベーションを高めている。

 活用効果
  • 生徒の学習履歴から、勉強に苦手意識をもつ生徒が自身で中学の範囲までさかのぼって復習し、苦手分野を克服しようという意欲が出てきたことがわかった。

     

  • 受験準備を行う『スタサプ部』では、1学期から2学期の変化で国語の点数が倍、英語が20点以上伸びるなど大幅に成績がアップする生徒が出てきた。


  •  

県全体での1人1台端末導入に
家庭でも活用を促し学習時間を増やしたいと考えていた

本校は「インクルーシブ教育実践推進校」の指定を受け、多様な生徒を温かく育てる学校づくりを目指しています。校訓として、「端正」姿勢を正し、日々を省みよう、「努力」目標を定め、日々を努めよう、「創造」進んで応用し、日々を創ろうという3つを掲げています。この校訓から生徒の主体的な学びを追究してきました。また実現すべき教育目標の中に、「一人ひとりを大切に」:生徒の学力の向上と、生徒一人ひとりの状況に応じた丁寧な進路支援・指導のもとに、これからの時代に求められる資質・能力を備えた人材の育成を目指します。という一文もあり、スタサプの導入はこの教育目標に合致するものと考えます。
また神奈川県のICT教育において導入された1人1台の端末活用で、端末を家庭学習でも使えないかと考えていました。
導入にあたって苦労したことは、教員間で新しいツールの導入に対する温度差があり、活用にネガティプだった教員も少なからずいたため理解を促すのに苦心したことと、到達度テストの日程を決めていく際に、年間行事や新年度の更新作業などのスケジュール調整をする必要があったことでした。活用にあたって環境整備を一歩ずつ進めていきました。

復習として課題配信することで「分かる!」を促す一方
大学受験のための「スタサプ部」を発足しモチベーションを高める

学校全体で取り組んだのは、①家庭学習も含めた学習時間を確保していくための活用と、②志望大学合格に向けた活用として有志によって『スタサプ部』を発足させたこと、という2方向からの活用です。
①の学習時間の確保としての活用では、授業のサポート教材として、先生から出題される宿題配信を家庭で取り組むことを促しました。特に、授業で一度学習した範囲を復習として配信すると、取り組むための心のハードルが下がり、授業でやった事があるから「わかる!」という感覚を引き出す効果が感じられました。また到達度テストの後の連動課題配信を実施し、担任の先生からの声がけを実施しました。
②のスタサプ部の活動はシラバスに沿って自宅学習をするのがメインですが、月1回スタサプ部として振り返りをするために集まって1か月の学習時間や当初立てた学習計画に対しての進捗を確認し、受験に向けてモチベーションをアップすることに力を入れるほか、週1回クラスルームから、学習データや教員からのコメントを配信しています。スタディサプリ導入以前は、受験に向けた学習については担当科目ごとに行っていて、学校全体としての取り組みはありませんでしたが、導入後は、スタディサプリとシラバスを使って学習を進めることができています。

中学の範囲を自習して苦手分野を克服しようという意欲や
定期テストで倍以上の点数の伸びを見せた生徒が出現

活用の効果としては、学習履歴を確認すると、勉強に苦手意識をもつ生徒が、中学の内容までさかのぼって復習をしていることが分かり、苦手分野を克服しようという意欲の高まりを感じることです。『スタサプ部』の活用では、1学期と2学期の定期テストを比較して、到達度テストの英語が伸びた生徒や、国語の定期テストで倍以上の点数を取れた生徒が現れて目に見える効果を実感しました。英語の点数が上がった生徒は、自信がつき、その後、英検2級の受験に挑戦しました。このように、中学や高校の既習範囲で忘れてしまっている内容を自ら取り組んで身につけることができるスタディサプリのおかげで、全体的に学習意欲が高まっている様子が見受けられます。
また、学校全体では復習としての活用がメインですが、中には予習用に活用している生徒もいて、動画を見てから学校の授業を受けると今までよりすっと頭に入ってくる感覚があるようです。
スタディサプリの利点は端末を開いてすぐに講義動画を流して勉強できることだと思います。さらに、確認テストにより自分がどこまで理解しているかを把握しやすいため取り組みやすいというのも良い点だと思います。
生徒と教員の共通言語として「それならスタサプを見ておきなよ」と担当教科を超えて簡単に声がけをできるようになったのも良い変化だと思います。例えば地歴科の担任が、クラスの生徒が英検を受けると聞いた時に、担当科目を超えてスタディサプリの英検対策講座について案内をするなど会話のきっかけが増え、また、個々の学習量が見える化されたことにより、生徒の頑張りや苦手分野が把握でき声かけがしやすくなったことや、生徒側からも「どの講座を見ればいいですか?」という前向きな質問が出てくるようになり、発展的な内容についてもフォローする機会が増えました。
教員側の変化としては、授業研究の参考として動画を視聴している先生が増えてきました。数学の教員は、物理など他教科との教科間連携を考える上で動画を見ています。また、職員室でどの宿題を配信するか教員同士が会話する姿が見受けられるようになりました。さまざまに活用できるスタディサプリですが、教員にとっては課題を用意する必要が減って負担が軽くなっています。
今後の活用方法としては、学校全体としては「到達度テスト」を行った後に「連動課題配信」を徹底して行いたいと考えています。また「スタサプ部」は第2回の募集をかける予定で、大学進学を目指す生徒のほか、公務員試験対策などの就職対策や総合型選抜の学習指導にも活用していきたいと考えています。また、小論文の指導などにスタディサプリが使えるのではないかという声も上がってきており、多様な学力層の中で、生徒一人ひとりの状況に応じた個別最適な学習機会の提供を通じて、第一志望の大学への合格者を増やしていくことができればと考えています。

足柄高等学校(神奈川県)
●生徒数:1年生:250名 2年生:219名 3年生:228名
ページ内容は2023年12月時点の情報です。
この事例で取り上げられたサービス
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